怖いものは怖いと言える素直さ
夕方の話
仕事を終え家に帰り、部屋でくつろいでいるとインターホンが鳴った
宅配便かな?と思ったけど、何かを注文した覚えはないし誰だろ?
平日のしかも、こんな時間に珍しいなと思いながらドアを開けると
中学生くらいの女の子が立っていた
意外な人物の来訪に少し驚いたけど
「どうしたの?」って聞いてみた
そしたら
「ヒロシですか?」って聞くんです
へ?
「名前、ヒロシですか?」
い、いや違うけど・・・?と応えると
その女の子は「そうですか・・・」と、去って行った
( ゚д゚)ポカーン
う~ん
ちょっと暗い感じだったけど普通の女の子
一体なぜ・・・ってか、ヒロシって誰だ???
数分後、部屋の前にあの子がいたらどうしよう、という恐怖にかられ
ドアスコープを覗いてみた
いない
なんだ、どこかへ行っちゃったのか~と、胸をなでおろす
あんな女の子1人にびびってどうするんだよ、と笑いが込み上げてきた
そして、女の子がいなくなったことを安心したのか、玄関を開けてみた
居る
隣の部屋の、ドアの前に女の子
久しぶりに「うおっ」って声が出た
何も言わずに扉を閉めるぼく、こちらを見ようともしない女の子
19時頃、買い物に出掛けようとそーっと外へ出る
あれ?いない
今度こそいなくなったぞ~・・・などと気を抜くぼくではない
どうせ階段にいるんでしょ?・・・いない
じゃあ下の階の踊り場か?・・・・いない
まさかアパートのエントランスに・・・いない
本日2度目の笑いが込み上げてきた
さっきの女の子は一体何だったんだろう
それよりも今は、買い物に行かなきゃとエントランスを出たら
居る
アパートのエントランス、出口の脇に女の子が・・・
早歩きでその子の側を抜け、買い物へ
買い物から帰ってきても、その子はエントランスの脇にいた
夕食後、やっぱり気になってエントランスまでなんとなく見に行くと
まだいる
22時頃
さすがにまだ居たら、警察に電話しようと思ってエントランスに降りたら
もう誰かが通報したのか、パトカーが来ていた
女の子はパトカーに乗っていたのかな?姿は見えなかったけど
警察に白々しく「なにかあったんですか?」と聞くと
「いやぁ、大したことじゃないんですよ」と、多くを語ろうとしなかったために
それ以上深入りはしなかった
あの女の子は、一体だれを探していたのか
で
ついさっき、車の中に忘れ物をしたのを思い出し1Fへ行ってみると
パトカーも女の子もいなかった
アパートに平和???が戻ったのです
これにて一件落着と、遠山の金さんのようなセリフを心の中でつぶやき
部屋に戻ろうとしたその時
足元にたんぽぽの綿帽子(綿は飛んで行ってなくなってる)を発見した
夜だけどエントランスの明りで、たんぽぽが視認できたんですね
未だにこの時
なんでこんなことをしたのか、でもよく覚えてないけど
普段だったら何も手を付けないであろうたんぽぽを
その時は手で拾ってポイっと遠くへ投げようとしたんです
そして、落ちているたんぽぽを拾って掴んだ瞬間
妙な感触が
よく見ると、たんぽぽが髪の毛でグルグル巻きにされていたのです
このたんぽぽが意味するものは一体
さ・・・さっきの女の子とは無関係だよね、うん、無関係に決まってるさ
明日はきっと、寝不足だな